涙について

空気が乾燥する冬、目の乾燥にお悩みの方も多いのではないでしょうか?

特に室内は暖房により湿度が低下しがちです.

 

室内の湿度の適正は40%~60%と言われています。

パソコンやタブレット、携帯電話をみていると目がシパシパ、なんてことも多いですよね。   

 

 

 

そんな目の乾燥対策で重要なのが、涙です。

涙は3つの層から成り立っていて、この厚さは約7マイクロメートル(1マイクロメートル=1mmの1000分の1)です。いちばん表面の層は「油層」と呼ばれ、睫毛のところに1列に並んでいるマイボーム腺から分泌されています。油層は、涙が蒸発するのを防いでくれます。2番目の層は、涙の90%以上を占める「涙液層」で、タンパク質や酸素、脂質などが含まれています。そしていちばん下の層は、結膜の細胞から分泌される「ムチン層」です。ムチン層は、角膜の水濡れ性を良くする働きがあります。水濡れ性とは、たとえば、窓ガラスに水が付いたときに水玉状になると「水濡れ性が悪い」といい、水が一様に窓ガラスにつけば「水濡れ性が良い」といいます。ムチン層があると水濡れ性が良くなり、涙がはじかれずに角膜上にきれいに分布するのです。

 

涙の役割
まずは、酸素や栄養分を目に伝える役割をもちます。実は、角膜(黒目)には血管が通っておらず自分で栄養を得ることはできません。それをカバーするのが、涙の役割なのです。涙の大部分を占める涙液層が、角膜に栄養分や酸素を補給してくれているのです。
次に、目から老廃物やごみ等を洗い流したり、外界からの雑菌の進入を防ぐ役割を果たします。空気中には、私たちが考えている以上に多くのバイ菌が浮遊しています。涙がなければそれらのバイ菌が直接目にふれ、炎症を起こす原因になることもあります。そのようなバイ菌から目を守り、さらには除去してくれるのが涙なのです。
そして最後に、目への水分補給を行う役割も果たします。「ドライアイ」という言葉を、最近耳にする機会が多いですが、そういった目の乾燥を守ってくれるのが涙です。

 

目の乾燥を防ぐには

涙がある一定量より少なくなってしまうと、角膜全体を潤すことができなくなってしまい、とてもデリケートな角膜が大気に直接触れることになります。すると、目が疲れやすい・目がかゆい・目が痛い・目やにが多い・ゴロゴロするなど、ドライアイの様々な症状が出てきます。
したがってドライアイを防ぐためには、涙の量の低下を防いだり、目に水分を与えてあげることがとても有効になってきます。

特に空気が乾燥する時期は、部屋に加湿器を置いたり、防腐剤の入っていない目薬をこまめに差すといいようです。

 

また、まぶたを温めることも効果的です。

さきほど、「油層」が涙の蒸発を防ぐ役割をしていると説明しましたが、まぶたを温めることでマイボーム腺の脂分が柔らかくなり、「油層」がスムーズに分泌されるようになるのです。方法は、やけどしない程度のお湯にひたして軽く絞ったタオルを、目を閉じてまぶたの上に5分間程度乗せるだけ。入浴時に上下のまぶたを軽くマッサージするのもおススメです。